過つは彼の性、許すは我の心 壱




 守られているのだったら、あの身体の傷は一体…。

 惣倉君の横顔を見るけれど、彼は反応を見せないどころか、


「ああ俺も思ってました。貴方も本当に“天條の不良品”なんですか?」


 木野島君の言葉を無視して、妃帥ちゃんに迎撃する。

 るり様軍団も妃帥ちゃんをその言葉で表していたが(だから私はブチギレたんだけど)酷い言葉で、妃帥ちゃんや惣倉君を表すそれらは共通認識なの?

 話を聞く周囲も止めないってことは、そういうのが当たり前になっているってことなの?

 2人とも私にとっては大事なの人なのに。


「ーーー妃帥」


 鶴の一言が舞い降りる。

 2人の言い合いに、天條君が待ったを掛けてくれた。

 ギスギスし過ぎて聞いているのは辛いから、漸く終結するのかと胸を撫で下ろすそうとした。


「お前が惣倉との関わるのよ、」

「獅帥は黙ってなさい」


 ピシャリと助けの手を跳ね除ける妃帥ちゃん。

 態とらしいお兄様呼びもせずに、自分より大きな惣倉君から目を離さないし、惣倉君も受けて立つように妃帥ちゃんから目を離さなかった。


「…」

「…」



 武士の真剣を使った試合を見ている気分。ハラハラが止まらない。

 力は拮抗しており、お互いの出方を窺っている状況に見えて、永遠に沈黙するかのように思えた。

 けれど、


「ーーー貴方も大変ですね」


 惣倉君から仕掛けた。


「何がかしら?」