『そっか…じゃあちょっと心配だよね。友達できるのかなとか、居場所作れるかなとか』
うんうんと頷く姉小路先輩。
『変な噂を聞くかもしれないけどこの学園、部活動とか委員会とか沢山あるから自分にあったものを選ぶこともできるし、色んな出身の人が来ているからきっと気が合う人も見つかると思うの』
『そう、ですかね…』
何とも歯切れの悪い返答をしていた。
こんなに私を気遣ってくれているのに正直態度で言えば失礼だったと思う。
それでも、姉小路先輩は。
『それでも気の合う人が見つからなかったら、私が友達一号ってことでも良い?』
『へ?』
思っても見ない言葉に、姉小路先輩を見る。
『やっと見てくれたね、こっち』
ふふっ…と振り返りながら笑った。本当に綺麗だった。
男だったら惚れてたと思う。ていうか、惚れた。多分借金の連帯保証人になって?と言われたらサインするし、逃げられても全然構わないと思う。先輩絶対にそんなことしないと思うけど。
道すがら先輩と話して行くうちに、ここに来てずっと感じていた疎外感や緊張感、不安感が一気になくなっていくのを感じた。
クラスに着いた後、姉小路先輩に連れてきてもらったの?何で?とクラスメイトに質問され、そこから友達もできた。
廊下ですれ違っただけでも、ニコニコ声をかけてくれるし、本当に人として出来過ぎな先輩。



