過つは彼の性、許すは我の心 壱



「自分達の不甲斐なさを何でもかんでも此方のせいにされたら、溜まったもんじゃないですね」


 やれやれと失笑する惣倉君に、柳眉を寄せる妃帥ちゃん。


「カズミ」

「お話を聞く限りでは綴様が倉庫に閉じ込められて、その近くで暴行目的で集合していた男達が、八つ裂きにされて救急車に運ばれたようです」

「ちょ、ちょっと待って!」


 私に視線が集中して、2人の言い合いが一旦終わったことに安堵する。

 カズミさんは「事実と何か違いましたか?」と言うので、


「その言い方だと、私が倉庫に閉じ込められた後にソイツらが暴行しようとしたって話にならない?」


 あくまで別件だよねと言ってはみたが、


「そうでもないよ」


 保健室の入り口に見覚えのあるイケメン3人衆が待ったをかけて来た。


「海祇も土師も急に走っていくから何事かと思えば…」


 火ノ宮君、木野島君、そして、天條君。

 天條君が歩き始めるとやっぱり視線が彼に向かう。


「…」


 天條君は妃帥ちゃん達を背にし、私たちに向かい合った。


 仏頂面は仏頂面何だけど、いつもより天條君ピリピリしている…?

 
「…初めまして天條先輩」

「…」


 切れ長の瞳は礼儀正しく挨拶した惣倉君を見下ろしている。(当然挨拶は無視


「綴ちゃん災難だったね。膝大丈夫そう?」

「あ、うん」

「鈍臭いんだねアンタ」

「…そう言われても、急に後ろから押されれば受け身も取れないって」


 天條君の両隣りに来る木野島君と火ノ宮君も、惣倉君を見て警戒している。