過つは彼の性、許すは我の心 壱



 しかもあの倉庫の近くだったとか、気づかなかった。


「何でそんな大怪我を負ったの?」

「さあ。何か頼まれただけとか言っていたけど…。まともに口が聞けるのも1人ぐらいで、直ぐに担架に乗せられて連れてかれたから」


 夏波ちゃんも流石に詳しくは分からないらしい。

 ただ、と夏波ちゃんが続ける。


「現場見た限りではそいつら全員男だったんだけど、その…」

「?」


 言いづらそうな夏波ちゃんに、はてと首を傾げる。


「人を暴行する目的であそこに集まっていたんじゃないかなって」

「ぼ、暴行?」


 不穏過ぎる言葉に、思わず聞き返してしまった。

 渚君も凌久君もその言葉に険しい顔になる。


「それっぽい道具みたいなのが現場に落ちてて…怪我が酷かったから詳しくも聞けなかったけど、十中八九そう」


 ぞわりと身体が震えた。

 身近でそんなことが起きていたなんて。

 鳥肌が立って身体を摩る。

 唯一顔色を変えてない惣倉君が「大丈夫ですか?」と顔を覗き込んで心配してくれる。


「で、正義の味方でも現れてソイツらを潰したって?」

「意味が分かれへん」


 凌久君は阿呆らしいと言わんばかりで、渚君も不可解だと眉間に皺を寄せている。


 その時、


「そう言うのは、惣倉の専売特許じゃないのかしら?」


 鈴の鳴るような声にビクンと身体が震えた。