過つは彼の性、許すは我の心 壱



「うんー…惣倉君とも話していたんだけど、暫くは出来る限り1人にはならないようにするぐらいしか思いつかないかな」


 根っからの庶民にはボディーガードを雇うなんて出来ないし、そもそも家族にも何て説明するべきか。

 惣倉君の可愛らしさにクラクラになっている場合じゃ無いのよね。


「ねえ綴ちゃん」

「うん?」

「兄は頼りない?」

「渚君?…ううん頼りになるならないじゃなくって、関係が無いのに巻き込むのが申し訳なくって」


 自分の事情に人を巻き込むもって結構ハードルが高いし、渚君が大事だからこそ傷ついて欲しくないとも思ってしまう。

 黙って左隣に座っていた惣倉君が、


「…それ海祇先輩に言ったら泣いちゃいますよ」


 と言いながらクスッと笑った。


「泣いちゃうの?渚君」

「もう大泣きだよきっと」

「ええー…」


 夏波ちゃんまで言うなんて…と思っていたら、夏波ちゃんが悪戯っぽく笑って「じゃあ今お兄ちゃんに聞いてみる?」と言った。

 どうやって、と言い掛けた瞬間、ドタバタ走る音が保健室に近づいてくる。

 そして、思いっきり保健室の扉が横に思いっきり開かれた。


「つづちゃん無事か!?」

「渚君!」


 目をパチパチとしていれば渚君の後ろから、


「渚早すぎや…」


 疲れた様に凌久君まで登場する。


「でつづちゃん怪我どうなんや!?」

「渚うっさい」