過つは彼の性、許すは我の心 壱


 後継者選びでの殺し合いで感じた葛藤や、平和に暮らす同い年の子達が遊んでいる姿に対する劣等感とか。

 良い感情、悪い感情を得ながら、思い出を作ることの大事さを主人公と一緒に体験し、学んでいった彼。

 彼にとって苦痛もあったんだけど、辛くてもこの思いを得られなかった方がもっと辛いんだって、彼はそう思う様になった。


 でも、


「いつまでも殺せない彼に主人公を殺せって再度命令が下されるの。従った彼はいつもの様にやろうと思ったけど、出来なかった。だって彼には主人公との大切な思い出が、得られた感情があったから」


 戦いの最中、主人公や仲間達の止める声が聞こえる。

 彼は決断した。


「主人公に敢えて負けたの。主人公には死んだ様に見せたけど実は生きてて、彼は満身創痍で一族の者に連れさられた。彼の家では依頼を失敗をした人がもし生き残った場合、処刑されるのが慣わしで、彼も慣わし通りに処刑されそうになるの」


 一族中が集まる中、ぼろぼろになりながらも彼は。


「彼は自分ごと一族全員を討ったの。主人公のこれからを思ってね」


 彼が例えやられても、次々と主人公に刺客を送ることが目に見えていた。

 だから主人公を守る為に彼は自分自身を犠牲にした。


「…何で泣いているんですか?」

「え?」