過つは彼の性、許すは我の心 壱



 頭の中でモヤモヤとぐるぐるが交差する。

 治療以外で何が出来る私に。

 丁寧に彼にガーゼや湿布を貼りながら考えて、考えて、その結果、


「私ね好きな少年漫画があるんだけど」

 
 漫画に帰結した。

 
「…」

「…」


 寄りにもよって…!頭抱えたくなったけど、後には引けなかった。


「バトルもので、特に好きなのが主人公じゃなくってサブキャラなんだけどさ。そのキャラって、言動はつっけんどんで、憎まれ口を平気で叩く人なんだけどさ」

「…」


 彼が何も言わないことをいいことに話し続けた。


「実はそのキャラは、優れた殺し屋を育てる家の出で、その子は同い年の子供達と一緒に育てられるんだけど、7つの年齢になった時にとあることを命令されるの」


 口は滑るように滑らかに言葉が出てくる。


「今まで苦楽を共にした、一緒に育った仲間を殺せって言われるの。生き残った者を当主にするって言われてね」


 彼の過去編は初めて見た時に泣き明かしたっけなあ。


「彼は様々な葛藤の中で生き残るの。彼はその後当主になって言われるがままに依頼を熟す中で、主人公の殺害依頼が来るの」


 ピッとガーゼのテープを切る。


「サブキャラはまず情報収集する為に主人公に近づくんだけど、彼は主人公といることで沢山のことを学ぶの。色鮮やかな感情や素敵な思い出の作り方とか」