そんなつもりで声を掛けたが、
「漫画?」
何それ美味しいの?という反応を頂いてしまった。
「…漫画知らない?」
コクンと頷く。マジか。
背中に湿布を貼りながら、漫画についてどう説明しよかなって思っていたら、
「これ」
「ん?」
上半身裸の美少年に差し出されるのは折り畳み傘。
すっかり忘れていた。
「ごめん忘れてた!持たせちゃってごめんね!」
きっと彼処にいたのって、私に傘返しに来ただけだったろうに、絡まれちゃって申し訳なさ過ぎる。
彼の目の前に戻って「申し訳ありませんでした!」と改めて謝った。
傘だって本当に必要だったか分からないのに、私の押し付けのせいで…と心の中でも謝り捲っていたら、
「いえ」
本当にどうでも良さそうに彼は謝罪を受け入れた。
「…怒ってない?」
「怒ってないです。会う度に絡まれるので、慣れています」
「えさっきの人達と知り合いなの?」
「親戚です」
「親戚!?」
あんなアグレッシブな親戚付き合いある!?
今後ろからどつかれたら目玉ポーンとでるわ。
どう見ても友好的な感じではなかったのにと思ったが、身体中の傷を見て少し納得してしまった。
もしかして日常的に?
さっきの人達も彼の傷跡に関係する人達なの?
通報するべきなの?
でも、下手に介入してもっと彼が辛い目に遭ったら?



