過つは彼の性、許すは我の心 壱


 そんなつもりで声を掛けたが、


「漫画?」


 何それ美味しいの?という反応を頂いてしまった。


「…漫画知らない?」


 コクンと頷く。マジか。

 背中に湿布を貼りながら、漫画についてどう説明しよかなって思っていたら、


「これ」

「ん?」


 上半身裸の美少年に差し出されるのは折り畳み傘。

 すっかり忘れていた。


「ごめん忘れてた!持たせちゃってごめんね!」


 きっと彼処にいたのって、私に傘返しに来ただけだったろうに、絡まれちゃって申し訳なさ過ぎる。

 彼の目の前に戻って「申し訳ありませんでした!」と改めて謝った。

 傘だって本当に必要だったか分からないのに、私の押し付けのせいで…と心の中でも謝り捲っていたら、


「いえ」


 本当にどうでも良さそうに彼は謝罪を受け入れた。


「…怒ってない?」

「怒ってないです。会う度に絡まれるので、慣れています」

「えさっきの人達と知り合いなの?」

「親戚です」

「親戚!?」


 あんなアグレッシブな親戚付き合いある!?

 今後ろからどつかれたら目玉ポーンとでるわ。

 どう見ても友好的な感じではなかったのにと思ったが、身体中の傷を見て少し納得してしまった。

 もしかして日常的に?

 さっきの人達も彼の傷跡に関係する人達なの?

 通報するべきなの?

 でも、下手に介入してもっと彼が辛い目に遭ったら?