過つは彼の性、許すは我の心 壱


 この非常事態に!(美少年の顔面の危機)と憤慨しながら彼を長椅子に座らせる。

 先生にちょっと漁りますねと心の中で手を合わせて、絆創膏や薬とかを探す。


「ああもう!どこ!」

「…」


 数分棚をゴソゴソした後よしあった!と必要なものを抱えて、彼の所に持って行けば彼は来た時のままでぼうっとしている。


「…大丈夫?」


 私の言葉に彼がふと見上げる。

 瞳には昨日の恐ろしさはなく、どっちかと言うと私の言葉に困っているというか。


「気分は?」

「大丈夫だと思います」


 自分のことなのに“思います”とな。

 うんー…と唸りながら「傷を見せてもらってもいい?」と聞けば大人しく服を脱ぎ始める。

 彼は淡々と黒い学ランと白いワイシャツを脱いで長椅子に置く。


 これは…。


「ちょっと背中見るね」


 こくんと頷く彼に、まずは背中に回ってあざや傷がないか確認する。


「…」


 古い傷の上に新しく出来たあざが出来ていて、一朝一夕で作られたものじゃ無いだけは分かった。

 傷もそうなんだけど、筋肉も相応に作られた身体というか、すべての筋肉が念入りに鍛え上げられているように見えた。

 どうしよう案外目のやり場に困る…そうだ、こういう時は。


「ねえ何か漫画読んでいる?」


 中学生なら漫画の一つ知っているだろう。