過つは彼の性、許すは我の心 壱


「アァ!?何で傘持ってんだァ!?」


 ファンシーな折り畳み傘で。

 それはどう見ても私が押し付けた奴だった。


「っ…」


 私は再びうおおおおぉと1階まで走り、上履きのまま中庭から外に続く道に出る。

 そして揉めている場所よりちょっと離れた所から、


「ああー!先生良かったこっちに来てください!」


 絡んだ男達が教師を探すようにあたりを見回した瞬間に、私は次の行動に移った。

 すかさず彼等の間に入り込み、


「君!中学生がこんな所に先輩達に迷惑かけちゃあ駄目でしょう!本当にすみません!私が教師の所まで連れて行くので!任せてください!私これでも生徒会役員なので!」


 捲し立てまくると彼等は「お、おい!」という声が聞こえたが、気にせずに中学生の腕を引っ張って校舎に駆け戻る。


「はあっ…はあっ…はあっ…!」

「…」


 つ、疲れた。ていうかヤンキー怖すぎる。

 パッと後ろを向けば、


「け、怪我してんじゃん!」

「…え?」


 え?じゃないよ!

 口角から血が滲んでいるし、服の裾から見える部分に青あざ見たいのも見えるしぎゃああ!

 約束された美少年の顔に何て傷を!


「保健室保健室!」

「あの…」


 蚊の鳴くような声は無視してドシドシと保健室に向かう。


「先生ー!っていない!?」