過つは彼の性、許すは我の心 壱



「先輩お金は俺が払うので心配しないでください」

「いやそういうことじゃなくって」

「?」


 後頭部しか見えないのに、とても不思議そうにしているのが伝わってくる。


…………難しいこと考えるのはやめよ。


「ううん、ありがとう惣倉君が居てくれて助かったよ」

「はい良かったです」


 いいじゃんいいじゃん。惣倉君は可愛くて気遣いも出来た上に、超人みたいな身体能力を持っているってことぐらい全然普通だよ。(あれこの感じ妃帥ちゃんの時と似たようなことあったような)


「こう言うシュチエーションも少女漫画っぽいよね」


 難しいことは考えない、大好きな物語について考えるに限るね!(逃避)


「そうですね。先輩と初めて会った時も教えて貰った少女漫画にもありましたね」

「ああー懐かし!」


 あったねえそんなこと。

 惣倉君の背におぶられながら、当時の事を思い出す。

 あれもこのぐらいの時期だったなあ、あの時は大雨だったけどーーーー。

 私の脳裏に思い浮かぶのは、初めて会った時のことだった。


「うわあすっごい雨」


 梅雨に相応しい、その日は土砂降りの雨が窓を叩いていた。

 その頃は姉小路先輩もいたし、渚君とも凌久君とも顔見知りレベルで、付き合いも今ほどもなく、私自身も人と接するのにまだ及び腰になっている時だった。