過つは彼の性、許すは我の心 壱



ーーー惣倉君に背負われながら、そう言えばと切り出す。


「あの倉庫の鍵どうしたの?」


 あんなヒーローが現れるタイミングで、偶然にも鍵まで持ち合わせているなんて、流石の少女漫画好きの私でも信じられないよ。


「ああ、落ちてましたよ」

「落ちてた?」

「はい、倉庫の近くに落ちていたから、もしかしてって思って使ったらビンゴでした」


…………分かった。

 偶々(・・)倉庫の近くにいて、偶々《・・》その近くに倉庫の鍵があったことは百歩譲って偶々(・・)と言おう。


 しかし、


「爆弾持っていたのは偶々じゃないでしょう」


 あの鉄扉を爆破できたのは偶々とは言わせない。


「爆弾?」

「うん」


 凄い轟音と扉が吹っ飛んだ事実は誤魔化せないでしょうがと説明すれば、


「ああ、あれ」


 それがどうしたんですかと言わんばかりの返答だ。


「…正直に言いなさい、そしたら警察には黙って、」

「案外立てつけ甘そうだったから蹴りました」

「よく正直に言った…間違えを認めてこそ人は成長す…って、蹴った?」


 聞き間違いかな?


「はい蹴りました」


 駄目でしたかねと、惣倉君は何でもないことのように言った。


「そっか弁償のこと考えてなかったなあ、払おうと思えば払えるのでもし聞かれたら、」

「ウェイト」

「?」


 蹴った?そんな蹴ってどうにかなる感じではなかったよね、あれ?私がおかしいのか?