過つは彼の性、許すは我の心 壱


 

 惣倉君の言葉に、待てするのを止めた。


「今決めました」


 ふと顔を上げれば、私を優しく見つめて微笑む惣倉君がいて。

 
「俺それだけで頑張れます」


 何処か影と静謐さを備えた彼のその姿に美しさを感じ、思わず呆けてしまった。


「先輩?」

「え、ううん!だだだ大丈夫!!」


ーーーーだからその言葉の重みとか、真意とか考えてなかった。


 惣倉君は着ていたジャージの袖でグイグイ私の顔を拭いてくれて「先輩顔と膝が大変なことになってますよ」と言いながら、軽く苦笑する。


 それに「す、すまんな」と変な謝り方をしてしまった。


「どんな謝り方ですか、ははっ…」

「う、うう本当お恥ずかしい限りで」


 彼から離れて頭をぽりぽりと掻く。


「先輩取り敢えず保健室行きましょう」

「あ、うん」


 膝もだけど、手までジンジンして来た。


「どうぞ背に乗ってください」


 惣倉君はさも当然に背に乗れとしゃがんだ。


「だ、だ大丈夫だよ!流石にそこまで面倒かけられない!」

「こんなぼろぼろの先輩を歩かせて連れ行ったら、それこそ俺ひとでなしですよ。俺の為だと思って下さい」


 うっ…そう言われたら、従うしかないじゃないか。


「ちょっと体重増えているからね?今背に乗った体重を本来の私だと思わないでね!」