「私自身が嫌いになったとかなら、しょうがない、て、思うけ、ど」
人同士だから好き嫌いが起きるのはよくあることだし。
でも、
「私が嫌いになったらとかじゃないなら、私に話して欲しい」
「…」
「頭は良くないから理解できないこともあるかもしれない」
「…」
「それでも私は惣倉君との繋がり、簡単に失いたくないって思っているから、どうすれば2人でいられるか一緒に考えるから」
「…」
「だから、」
自分でも何言いたいのか分からなくなって来た。
「うっうっ…!」
「…」
言っていること滅茶苦茶で、助けに来て急にこんなこと言われても絶対にうざいって分かっているのに、惣倉君は静かに私の話を聞いてくれる。
こういう所も好きだなあ。
私の推し談義を静かに聞いて、偶に頷いて、時々微笑んでくれる。
惣倉君との穏やかで静かな時間は私にとって大事なものだった。
初めて会った時は恐る恐る人と接する動物みたいな感じだったのに、知らぬ間に立場が逆転していて、情けないや本当に。
「ーーー先輩、勘違いしないで欲しいんですけど」
ずびずびしている私の上から、惣倉君の静かに言った。
「例えこれから、俺達の環境が変わって傍に居られなくなっても、」
それが嫌だから話し合おう。
そう言い掛けて、
「俺の、先輩に対する気持ちは一生変わらないです」



