過つは彼の性、許すは我の心 壱



「本当に怖かった…!」

「先輩が、」

「うっうっ…うん?」


 惣倉がポツンと呟く。

 鼻水と涙に塗れながら聞き返すと、


「無事で良かったです」


 更にきゅっと抱き締めてくれて、涙は大洪水になった。

 
「あ、あとつ、惣倉君にき、嫌われたかと、思って。すっごい不安だったっ」

「そんなことないですよ」

「私が下手に、天條君達と、関わったせいで、もう傍にいてくれ、ないかと」


 うっ、うっ…と言葉を詰まらせながら、自分の思いを語ってしまった。

 凌久君の話だと、惣倉君のお家と天條君のお家はあまり仲が良くないことしか分からなかったけど、私が天條君達の傍にいるようになってから、あからさまに彼と会わなくなってしまった。

 それは、鈍い私でも彼が接触を避けるようにしているのが分かるほどで、話をしようにも会わないから話も出来ないし、惣倉君携帯も持っていないから連絡を取る手段もなかった。

 強行突破で中等部行くことも考えたけど、目立つことを出来るだけ避けている惣倉君に、迷惑がかかるかもしれないと思ったら出来なかった。

 普段笑っていても、どこかで私何か間違えた?何に気付かなかった?とか色々考えてしまっていて、不眠気味だったし、挙句今回の事でトドメを刺された感じ。