「天條ちゃっちゃと来んかい!」
「…」
「嫌そうな顔すな!」
「天條頑張れー」
「渚〜実は唐堂じゃなくて天條狙いか?」
「あほ抜かすな!」
渚君に振り回されている天條君が物珍しいのか、クラスメイト達も段々馴れ馴れしくなってきたし。良いこと、良いこと。
ふふっと内心微笑みながら、よっせと機材の持ち運びをする。
かく言う私は、指定された場所に機材を持って行くとこだ。
にしても、こんな所に持って行くなんて…。
体育祭委員の子に、競技で使用し終えた重い道具を持っていくよう言われて、学校の裏手の、人っ気のない倉庫に持ってきたけど、この辺りに別の体育祭委員がいるからって、言われたのに姿が見当たらない。
持ち続けるの限界。
倉庫の扉に棒状の物を立て掛けて、はあー…と息をつく。
別に力持ち自慢でもないのに、丁度今清水君も凌久君もいない時に頼まれてしまったから仕方ないんだけどさ…。
倉庫横で待ってみるが、待てども来ない。
………入れるだけ入れよ、鍵開いているみたいだし。
そう言えば頼んで来た体育祭委員の子、妙に言いづらそうな感じだったなあと思いながら、開いていた微妙な隙間に手を入れて、思いっきり横に引く。
扉は建付けが悪いものの、どうにか開いた。



