過つは彼の性、許すは我の心 壱


 渚君がいるのといないのとじゃあ全然違うクラスの空気。

 天條君がいるだけで緊張感が漂うけれど、渚君のお陰でいい感じに中和出来ている。


 ていうか、


「(天條君来たんだ…)」


 以外にも天條君がいるのがびっくりした。

 渚君の言う思春期病ではないけど来ないと思っていた。

 今まで学校行事に出ていなかったって話だし、私が妃帥ちゃんのミケになった影響なのかなあ。

 滅多に自身の心を吐露することのない天條君の背中を凝視してみるが、王侯貴族の空気を醸し出す天條君は、机に頬杖を付いて怠そうに渚君を見ているだけで、彼の心中は推して図れない。

 未だに彼のことは何も分からない。

 単純に彼自身が自分自身のことを話さないってこともあるんだけど、周囲もそう言う彼を許容していることもあるし、それが当然だとこの学園では浸透しきっている。


 少しでも体育祭で天條君のことが見えればいいなと思ってしまう。


「お前より目立って必ずつづちゃんの視線を釘付けにしてやる!」

「ヒュー唐堂お姫様じゃん」

「頑張れ唐堂〜」

「キャアワタシヲトリアワナイデー」


 頭ではダラダラと考えながらも即座にフリに対応。

 両手を握り合わせて棒読みの台詞を言う私も、このクラスに大分慣れたもんよ。