過つは彼の性、許すは我の心 壱

 

 凌久君が洋直ちゃんに、ざっくり惣倉君のことを説明してくれた。


「惣倉君、めっきり会えていない。寂しい」


 口から思わず溢れる。

 
「アイツなりに気ぃ使うてんで」

「それも私が天條に関わっているから?」


 訳知りな凌久君に色々聞きたいが、きっと答えてもらえないだろうし。

 あ、私嫌な奴になっている。


「…ごめんね攻めるような言い方して」

「ええで、つづはもっと怒ってええ」


 糸目から見える瞳は優しくって、落ち込んでいる私の頭を凌久君は撫でてくれた。


「手順を踏んだ上で知るのと、手順を踏まんと知るんやと、その後の扱いの差雲泥の差になるんや」

「…」


 よく分かんないけど、うんと頷いておく。

 凌久君に「つづ良い子」となでなでされていれば、


「あ、高等部と中等部って合同体育祭だから会えるかもしれないですよ」


 洋直ちゃんが閃いたと言わんばかりに言うが、


「アイツサボり癖あるし、体育祭出るか?」

「うっ」

「しかも家の学校マンモス校やさかいいてもどう探したらええのやら」

「ううっ」


 早々に洋直ちゃんが凌久君に論破されている。

 凌久君容赦ないなあと思いつつ、いつまでも落ち込んでいても仕方ないかという気持ちもある。

 
ーーー取り敢えず目の前の体育祭頑張って、それから色々考えて動こう。

 
「よし!唐堂綴頑張ります!」