火ノ宮君の言葉に今度は清維の目が釣り上がった。
「阿呆?私が」
「だってわざわざこんな所に来ちゃって、未練がましい」
「…っ」
「おい、マサやめろって!」
何かどんどん凄いカオスになっていく。
私が止めるのもおかしい気がするし、でもこのゆるゆる生徒会室の空気がバトルロイヤルに変わった感じなままなのも嫌だなあと思ってしまうわけで。
腹括るかあと思えば、
「正照、清維」
厳かでハッキリとした声が、バトルロワイヤル空気の流れを打ち壊す。
ピタリと2人の言い合いが収まり、自然と皆の視線が天條君に注がれる。
彼にとって場を制圧するのに武器も暴力も要らない。
一声出すだけで、誰も彼も口を出さずに彼の言葉を待つ。
やがて天條君の形の良い唇がふっと開いた。
「ここでする様な話じゃない。やめろ」
やはり侮れない天條カメラマンお話ターイム!(結局使った)
剣呑な空気は正に鶴の一言でピタリと収まった。
ふへえすごい。(小市民感想)
「おい」
脳内で声品評をする私に天條君が声を掛けてくる。今度は流石に分かった。
相変わらず何を考えているのか分からないけれど「天女目には言っておく」と一言だけ言って、天條君は立ち上がるとそのまま生徒会室から去って行く。
その時、生徒会室の入り口付近から聞き慣れた声が聞こえて来た。



