「ごめん今妃帥ちゃん一筋だから」
「振られてもうたなあ」
「ふっははは」
「くくっ…」
何だか面白くなって2人で笑っていれば。
「それだよそれ」
え、何が。
火ノ宮君は腕を組みながら、舌打ちをかましそうな程の苛立ちを見せている。
何でだ?と火ノ宮君以外の目の前に座る2人を見れば、木野島君はあーうーんーとなっていて何て言っていいのかわからないって感じだし、天條君は安心デフォルトの無表情で、彼の怒りの理由が分からなかった。
「つづ気にしな。火ノ宮のは八つ当たりやさかい」
凌久君はワケ知り顔で笑った。
「八つ当たり?」
「つづが自分の好きな相手の心を揺さぶってる癖に、他の男と仲良うしてるのんが許せへんのやろ」
好きな相手…。
「火ノ宮君が好きな人って私の知っている人?」
私の近場で言うなら姉小路先輩とか、まさかの洋直ちゃん?
「あーそれは、」
凌久君が言い掛け、火ノ宮君の目が釣り上がる。
その瞬間ーーーーコンコン。
「ごめんなさい、お話の途中かしら?」
ワンレンの長い黒髪に、楚楚として上品な雰囲気を持つ美少女。
「あれ清維来てくれたの?」
「ええ。こっちの用事はもう終わったから、手伝おうと思ったんだけど」
美少女こと清維は、開けっ放しの入り口を軽く叩いて中に入って来る。



