過つは彼の性、許すは我の心 壱


「ごめん今妃帥ちゃん一筋だから」

「振られてもうたなあ」

「ふっははは」

「くくっ…」


 何だか面白くなって2人で笑っていれば。


「それだよそれ」


 え、何が。


 火ノ宮君は腕を組みながら、舌打ちをかましそうな程の苛立ちを見せている。

 何でだ?と火ノ宮君以外の目の前に座る2人を見れば、木野島君はあーうーんーとなっていて何て言っていいのかわからないって感じだし、天條君は安心デフォルトの無表情で、彼の怒りの理由が分からなかった。

 
「つづ気にしな。火ノ宮のは八つ当たりやさかい」


 凌久君はワケ知り顔で笑った。


「八つ当たり?」

「つづが自分の好きな相手の心を揺さぶってる癖に、他の男と仲良うしてるのんが許せへんのやろ」


 好きな相手…。


「火ノ宮君が好きな人って私の知っている人?」


 私の近場で言うなら姉小路先輩とか、まさかの洋直ちゃん?


「あーそれは、」


 凌久君が言い掛け、火ノ宮君の目が釣り上がる。


 その瞬間ーーーーコンコン。


「ごめんなさい、お話の途中かしら?」


 ワンレンの長い黒髪に、楚楚として上品な雰囲気を持つ美少女。


「あれ清維来てくれたの?」

「ええ。こっちの用事はもう終わったから、手伝おうと思ったんだけど」

 
 美少女こと清維は、開けっ放しの入り口を軽く叩いて中に入って来る。