「触ってもいいけど、凌久君なら色んな女の子から二の腕触ってくださいって言われるんじゃない?」
「言われるなあ、まあ二の腕どころとちがうけど」
「やだーセクハラだエッチだ」
「…ちょい凌久君エッチって言うてみて」
「サイテー」
「マジになるなって、冗談冗談」
本当かよと見れば、机に突っ伏しながら「あーつづほんまに可愛い」と色眼鏡でも掛けてますの?というセリフ。
「もう、モテない女からかって楽しい?」
膨れっ面再降臨させている私に、凌久君は自分の腕からピョコンと顔を出す。
ちょっとその仕草が可愛いと思ったのは内緒だ。
「渚と俺にはモテとっているさかい、モテへん女やのうあらへん?」
「モテているって言うより、遊ばれているって言うのが正しいと思うんだけど」
「あ、俺の気持ち疑うてまう?」
丸眼鏡越しの糸目がすうっと開いて、理知的でゾクッとする瞳が現になる。
隣に座っていた凌久君の長い指先が私の顎筋をなぞる。
まるで蛇が獲物を舐め回す姿を彷彿とさせる様ななぞり方で身体中をゾワゾワさせ、
「俺はあの時からつづにゾッコンやけどな」
リップサービスたっぷりの色を乗せた言葉をセットして、私のノックダウンを狙ってきた。
…………こ、この
「…ひ卑怯!触るのなし!ルール違反!」
ああ負けたよ負けた!幼稚園児でもこんな言葉言わないよ!ああ恥ずかしいぃ!



