過つは彼の性、許すは我の心 壱


 火ノ宮君の勢いが無くなっていき、果ては自分の無理矢理ロジックの穴の深みにハマってしまった様子。頭脳派っぽいのに、どうして脳筋の様に事実を捻じ負けたんだ。


 そこで、


「くっくくく…」


 くつくつ1人で笑う男。


「よしんばそうやったとしても、天條のこと嗅ぎ回り過ぎてるし、一応護衛も兼ねてる奴らが気付かへんってなると大間抜けの大問題になるわな」


 肩を震わせながら、凌久君は言う。


「あかん、流石つづ…ふくくくっ…!」

「そこまで笑うことあった?」


 失礼ながら笑い過ぎじゃないかね。

 そうも思っていたが、まあ…でも。


「凌久君、怖いの取れたね」

「くく…え?」

「今ここで誰が好きかって言われたら凌久君だけだし、うん好きな子が笑ってくれて私は嬉しいよ」


 冷たい凌久君からホットな凌久君に変わるお手伝いが出来ただけでも充分です、はい。


「…つづ。こないな時に口説くのって余裕ありすぎひん?」

「口説く?事実を言っただけだけど」

「あー俺渚に殺されるわ」

「そうかな」


 羨ましがるんじゃないかな多分。


「つづってギャップありすぎてな」

「ギャップ?」

「んーなんやろう…普通なのに、掴みどころがあらへんっちゅうか」

「掴みどころなんて一杯あるよ」


 見よこの贅肉たっぷりのぷにぷに二の腕を!と見せつければ「触っていいん?」と何やら真面目顔の凌久君。