過つは彼の性、許すは我の心 壱



 人の話聞かないしスルーしがちな癖に、お義兄様だけは頑なに否定し続けるのは何なんだ。


「分かったよ天條君。なあに?」


 そんな改まって言いたいことがあるのか、天條君の言葉を待つ。


「お前は、」

「うん」


 天條君の言葉を待ちながら、彼が何か言おうとする度に静かになる現象って名前付けられそうだなって、どうでもいいことを考えていた。


「お前はーーー」


 彼はその間、たっぷりと余裕を持って。


「ーーー助けて欲しいのか?」

「いやもう助けて貰ったからいいよ」


 私の即答に何故だかビクッとなった天條君。

 某カメラマンを想像する程のゆっくりさに、重大なことを言うのかと思えば…。

 時間かけて言うことがそれだったの?


「なーんだ構えて損しちゃった」


 今度から天條カメラマンって呼ぶぞこらって言いたくなったよ。

 そうだ。天條君が何か言う時に静かになる現象を、天條カメラマンお話ターイム!って名前にしよう…だっさ、びっくりするぐらいダサい、誰だこんな面白みの1つもない名前考えたの。


「ちょ、ちょっと待って綴ちゃん」


 そんなどうでもいい私の考えに割り込むよう、待ったをかけたのは木野島君だった。


「へ?」

「綴ちゃん、獅帥が助けてくれるって言っているんだから素直に甘えちゃおうとか思わない普通?」