過つは彼の性、許すは我の心 壱


 既に6月の下旬。

 生徒会は無事に補充され、以前の回らない生徒会が嘘かの様に仕事が回るようになった。

 もう体育祭は目の前。

 クラス対抗私も競技にいくつか出ることになったし、クラスに貢献せねば。


「今日は静かだね」


 仕事も終えて、ティーカップに入れられた紅茶とお菓子を楽しむ。

 少し前の雑然とした生徒会室も綺麗になって、これで妃帥ちゃんが来ても大丈夫。


「う、んん。唐堂君」

「ん?」

「いやもうどうしていいか」

「何が?」

「いやあ…」


 今清水君はチラリと補充(仮)生徒会役員を見た。


「…何だ?」

「どうしたの?今清水君」

「ひっ…いえ…ちょっと僕トイレ行っていきます!」

「あ、今清水君」


 ドアをバンッと開け放って、脱兎の如く生徒会室から今清水君は出て行った。

 今清水君は生徒会室から出て直ぐの場所のトイレに寄らず、そのまま廊下の角に消えて行く。

 トイレ、素通りしちゃってたよ。


「どうしたんだろう、ねえ天條君」

「分からない」

「ねえ、火ノ宮君と木野島君は分かる?」

「さあ」

「俺もちょっと分かんないな」


 そっか2人にも分からないか。


「つづで答え出てるな」

「え?」


 凌久君は面倒臭そうに机に肘を立て顎に手を当てている。


「天條怖いんやろう」

「…あーやっぱそうなんだ」