自嘲気味に笑った凌久君になんて声を掛けるべきか考えて…取り敢えず。
「凌久君は何か犯罪を犯して捕まったとか?」
「ちゃうけど…まあアイツらかするとそれよりもっと悪いってことなんやろうな」
ハッと鼻で笑いながら話す凌久君。その姿はいつかの惣倉君に被った。
………なるほど、分かった。
「じゃあ、大丈夫」
「ん?」
「腹括らずに済んだ」
ホッとした。
凌久君が訳わかんないって顔をしていたから、数分の間で起きた私の葛藤について話をした。
もし犯罪を犯したことが事実なら、家族の仕事や交友関係にも影響を与えるかもしれないし、最悪止められる可能性もある。
でもそれは普通のことで、家族が心配するのは当たり前の話だし、私の家族は私の意思を優先してくれる人達だから渋々納得はしてくれるのも分かっている。
だからこそ、それに甘えずに、家族達に迷惑をかけないようどうすればいいのか考えないといけないわけで。
その心配がなくなったから安心し、
「いや待って」
「何で?」
私の葛藤に待ったをかける凌久君。
「もし俺が、」
「うん」
「ほんまに犯罪者やったとしも友達として付き合う気やったん?」
丸眼鏡越しに伺う視線は、物陰から見知らぬ人が来た時に様子を見守る子供の様に見えた。



