過つは彼の性、許すは我の心 壱


「うん」

「何やってんねんな、アイツ」

「そうはいっても事情とかあるんじゃないのかな」


 天條君ともそんなお家のこととか、妃帥ちゃんのこととか(ここ1番大事)、深い話しをする時間もなかった。


………でも、さあ。


 今更思ったんだけど、家の背後関係とかって結婚するなら知っておくべきだけど、たかだがお付き合い?レベルの私がそんなに詳しく知っておかないといけないのか。


 チラリと凌久君に視線を合わせれば、


「…」

 
 いつも飄々としている彼が真剣な表情で考え込んでいて、少しだけドギマギしてしまった。


「ーーーつづ」

「ん、あはい」


 1人でドギマギしていたら、いきなり凌久君に声を掛けられて変な声が出た。


「今俺が中途半端に教えても訳分からへんくなるやろうし、」

「う、うん」

「俺から教えられたって関係者…特に俺の親戚どもに知られたら、つづの立場悪なる可能性もある」


 その言葉にドギマギ感はスッと無くなって、


「…どうして?」


 疑問がそのまま口を突いて出る。


「そもそも土師も天條に怒らしたことあってな。“月”の一族ほどとちがうけど、干され気味やねん」


 凌久君とその怒らせがどう繋がるのか分からず、キョトンして入れば苦笑しながら教えてくれた。