過つは彼の性、許すは我の心 壱


 良い匂いがする、これ凌久君の匂いだ。

 それだけ凌久君に近付いているってことで、あまりにも自然な動作で渚君も私も反応出来なかった。


「そやけど…つづがほんまに教えて欲しいんやったら、教えて上げんで?勿論、」


 2人っきりでと耳元で囁かれた瞬間、痺れるような感覚が身体に走った。


「お前!」

「おっと」


 渚君が行動する前に凌久君はローテーブルの後ろに引き下がる。


「セクハラダ!」

「そうやそうや!セクハラや!」


 カタカナで抗議しながらひゃー!とゾワゾワする身体を摩る。何故だか渚君まで私を摩ってくる。


「セクハラとちがうもん、つづ嫌な気持ちした?」


 もんって…私より可愛く使いやがって。

 膝に肘をつきながら笑う凌久君は、今から雑誌の表紙でも撮るんですかってぐらいかっこいい。腹立つ。


「…嫌な気持ちはしなかったけどさ」

「そう言う問題ちゃうやろう」


 急にMAX色気を醸し出されて対応できる人なんていない絶対。顔が赤くなっている自信あるよ。


「渚君といい凌久君といい…本当人で遊ぶのやめてよ!」


 MAX膨れっ面になりながら凌久君を睨みつければ、


「ごめんな、つづが可愛くてな」


 ケタケタ笑って返す凌久君。


「つづちゃんが可愛くてって言うのは同意だけど、セクハラは違うだろう!」