一方、ところ変わってその日の夕方、とある宿屋の一室で夕食前の軽食をつまんでいたアレクシスに、セドリックがこのように切り出した。 「ところで殿下。二年前、オリビア嬢といったい何があったのですか? そろそろお話しくださってもいいのでは?」――と。 するとそれを聞いたアレクシスは――全く予期していなかったセドリックからの問いに手を止めて――表情のみならず、身体ごと硬直した。