「……っ」
全身が熱を持ち、本能的にエリスを求め始める。
もはや、制御不可能なほどに。
――これはもう、散歩などしている場合ではない。
アレクシスはエリスの背後にあるテーブルにシャツを置くと、そのままエリスを抱き上げた。
「きゃっ」と小さく悲鳴を上げるエリスをあっという間にベッドまで運び、その上に覆いかぶさる。
「……殿下? 今から、なさるのですか? お散歩は……」
「悪いがこちらが優先だ。これ以上は堪えられない。夕食までは一時間ある。一度くらいできるだろう」
「で、ですが……まだ、日が……」
「日など今に沈む。それに、明日から一ヵ月も会えないんだ。今夜はとことん付き合ってもらうから、そのつもりでいろ」
「……っ」
「何だ、嫌なのか?」
「……嫌、だなんて……そんなこと、あるはずありませんわ。ですが、殿下の体力は……その……」
アレクシスの意地悪な問いかけに、顔を真っ赤にして答えるエリス。
アレクシスは、そんなエリスに愛しさが込み上げて、「これ以上は待てん」と、問答無用で口づける。
何度も、何度でも、貪るようになキスを繰り返し、当然、その後は――。
こうして二人は夕食の時間ぎりぎりまで――では終わらず、夕食がすっかり冷めきってしまうまで、深く愛を交わし合うのだった。



