◇
エメラルド宮に戻ると、いつものようにエリスが出迎えてくれる。
「本日もお疲れ様でございました。お早いお帰り、嬉しいですわ」と言って、柔らかな笑みを投げかけてくれるエリスを前にすると、先ほどまで感じていたセドリックに対するモヤモヤが、嘘の様に消えていった。
(ああ、やはりエリスの笑顔は凄いな。心が洗われるようだ)
アレクシスは脱いだコートを侍従に預けながら、エリスに微笑み返す。
「今日くらい、君とゆっくり過ごしたくてな。細々したことは部下に任せて帰ってきてしまった」
昨日までは、何だかんだあって帰宅は夜十時を過ぎるのがザラだった。
それでもエリスは毎晩必ず起きて待っていてくれたが、共に過ごせたのは、睡眠時間を除けばほんの二、三時間程度。
だからアレクシスは、今夜こそはエリスとゆっくり過ごすと決めていた。
とはいえ、今の時刻は午後五時を回ったころ。少々中途半端な時間である。
さて、どうするか――と考えた末、アレクシスはエリスを散歩に誘うことにした。
「夕食まではまだ時間があるだろう。すぐに着替えてくるから、庭を散歩でもしないか?」と。
エメラルド宮に戻ると、いつものようにエリスが出迎えてくれる。
「本日もお疲れ様でございました。お早いお帰り、嬉しいですわ」と言って、柔らかな笑みを投げかけてくれるエリスを前にすると、先ほどまで感じていたセドリックに対するモヤモヤが、嘘の様に消えていった。
(ああ、やはりエリスの笑顔は凄いな。心が洗われるようだ)
アレクシスは脱いだコートを侍従に預けながら、エリスに微笑み返す。
「今日くらい、君とゆっくり過ごしたくてな。細々したことは部下に任せて帰ってきてしまった」
昨日までは、何だかんだあって帰宅は夜十時を過ぎるのがザラだった。
それでもエリスは毎晩必ず起きて待っていてくれたが、共に過ごせたのは、睡眠時間を除けばほんの二、三時間程度。
だからアレクシスは、今夜こそはエリスとゆっくり過ごすと決めていた。
とはいえ、今の時刻は午後五時を回ったころ。少々中途半端な時間である。
さて、どうするか――と考えた末、アレクシスはエリスを散歩に誘うことにした。
「夕食まではまだ時間があるだろう。すぐに着替えてくるから、庭を散歩でもしないか?」と。



