アレクシスは、セドリックに持たせていた茶封筒を受け取りテーブルの上に置く。
それをクロヴィスの前にスライドさせると、重々しく唇を開いた。
「答えてください、兄上。今回の件、どこまでが兄上の計画だったのですか。ここに書かれていた内容は、一朝一夕で調べられるものではない。リアムの生まれや虐待のこと。それに、孤児院の放火の犯人が侯爵の手の者であったこと……。兄上はそれを前々から知りながら、問題を放置していたのですか」
もし事前に知っていたのなら、リアムがエリスに手を出す前に止められたのではないか。
決闘などという大ごとになる前に、全てを防げたのではないか、と、そんな気持ちで。
「兄上に感謝しているのは本当です。結果的に、全てが丸く収まったのは兄上のお力添えのおかげですから。ですがもし、この騒ぎそのものが兄上の仕業であったなら――」
アレクシスは一呼吸置き、クロヴィスを鋭く見据える。
「――俺は、兄上を許さない」



