アレクシスがソファに腰を降ろすと、クロヴィスはさっそく口を開く。
「さて――まずはリアムとオリビア嬢の死についてだが、話し合いの末、ルクレール侯は二人の死を受け入れる意思を示した。二人の葬儀は領地にて執り行い、弔問は一切不要だそうだ。二人の行先は詮索せぬように一筆書かせたから、安心するといい」
「――!」
それは朗報だった。
話し合いというのは、いわゆるクロヴィスお得意の脅しだろうが、今重要なのはその方法ではなく、ルクレール侯が二人の死を認めたという事実。
(これでエリスにいい報告ができる。後でジークフリートにも知らせなければな)
とはいえこの結果は、クロヴィスに一任した時点で当然の結果だ。最低限満たすべき条件とも言える。
つまり、これで終わりなはずがない。
「感謝します、兄上。ですが、それだけではないのでしょう?」
「……と言うと?」
「兄上は俺に言いましたよね。ルクレール侯に問いたださなければならないことがあると。つまり兄上は、以前から侯爵について調べていた。その上で、俺とリアムのいざこざを利用した。――違いますか?」
「…………」
アレクシスは決闘以降、次にクロヴィスに会ったら確かめるつもりでいた。
どうしてクロヴィスはルクレール侯爵について調べていたのか。
二年前、自分とリアムの間に起きた問題を、クロヴィスは知っていたのか。
今回の決闘に至った経緯について、どこからどこまでがクロヴィスの計画のうちだったのか。
自分にはそれを知る権利がある、そう考えていた。



