【完結】ヴィスタリア帝国の花嫁Ⅱ 〜婚約破棄された小国の公爵令嬢は帝国の皇子に溺愛される〜


(確かにセドリックの言うとおりだ。いい加減、気持ちの整理をつけなければ。ようやく日常が戻ってきたというのに、いつまでもこのままではいられない。最近、エリスの態度もよそよそしい気がするし……)

 ――と、そう考え始めたその時だ。

 執務室の扉がノックされ、第二皇子(クロヴィス)の側近の一人が姿を現す。
 側近は、アレクシスが何か尋ねるより早く、淡々とこう言った。

「クロヴィス殿下がお呼びです。例の件、全てに片がついたとのこと」

 その言葉に、アレクシスとセドリックは顔を見合わせる。

 例の件とはルクレール侯爵のことだ。
 アレクシスは、クロヴィスの申し出(という名の命令)により、ルクレール侯爵の対応をクロヴィスに任せていた。

 つまりこの呼び出しは、その結果報告ということなのだろう。

「わかった。すぐに行くと伝えてくれ」

 アレクシスはそう返事をし、茶封筒をもう一度手にすると、セドリックと共にクロヴィスの執務室へと向かった。