(確かにセドリックの言うとおりだ。いい加減、気持ちの整理をつけなければ。ようやく日常が戻ってきたというのに、いつまでもこのままではいられない。最近、エリスの態度もよそよそしい気がするし……)
――と、そう考え始めたその時だ。
執務室の扉がノックされ、第二皇子の側近の一人が姿を現す。
側近は、アレクシスが何か尋ねるより早く、淡々とこう言った。
「クロヴィス殿下がお呼びです。例の件、全てに片がついたとのこと」
その言葉に、アレクシスとセドリックは顔を見合わせる。
例の件とはルクレール侯爵のことだ。
アレクシスは、クロヴィスの申し出(という名の命令)により、ルクレール侯爵の対応をクロヴィスに任せていた。
つまりこの呼び出しは、その結果報告ということなのだろう。
「わかった。すぐに行くと伝えてくれ」
アレクシスはそう返事をし、茶封筒をもう一度手にすると、セドリックと共にクロヴィスの執務室へと向かった。



