この内容は、馬車の中でシオンとも確認をした。
だからルールについては改めて聞く必要はなかったが、確かに、戦況は気になるところである。
なぜって、ここから見ている限り、アレクシスとリアムはほぼ互角に戦っているように見えるからだ。
エリスは、アレクシスの方が圧倒的に強いものかと思っていたために、正直、今の戦況に不安を抱いていた。
かと言って、アレクシスが押されているのかなどと、聞くわけにはいかない。
そんなエリスの感情を、シオンは感じ取ったのだろう。
シオンは、どう質問しようか悩むエリスの代わりに、問いかける。
「クロヴィス殿下。では僕から、一つよろしいでしょうか」
「ああ、構わない。何でも聞いてくれ」
「では……ルクレール卿のあの剣の持ち方には、何か意味があるのでしょうか。決闘開始直前、ルクレール卿の姿を見たアレクシス殿下は、明らかに驚いた様子でした。それは、ルクレール卿の剣の持ち方のせいですか?」
シオンはエリスと同様、アレクシスとリアムにはそれなりの実力差があると思っていた。
だから、あっという間に勝敗が決してもおかしくないと考えていたのだが、予想とは違う現実に、きっとこれには訳があるはずだと思った。
その理由を考えたとき、原因は、リアムのあの不思議な剣の持ち方にあるとしか思えなかった。



