それからほんの数分後――着替えのために自室に戻ったアレクシスは、深い溜め息をついていた。

 玄関ホールに足を踏み入れた瞬間抱いた違和感の正体と、先ほどエリスから言われた言葉の意味を考えては、自身の不甲斐なさを悔いていた。


(『大切な話』か。どうにも嫌な予感がする。……こういうときの俺の勘は、よく当たるんだ)