◇
アレクシスはリアムの屋敷へ全速力で馬を駆けながら、かつてのリアムの言葉を思い出し、手綱を強く握りしめる。
(――ああ言っていたお前は、オリビアの療養のためだと、たった二年で海軍を辞めた。今思えば、既にお前はあのとき、俺に愛想を尽かしていたのだろう)
リアムが海軍に入ったのも、泳ぎを覚えたのも、全てはアレクシスのためだった。
だから、辞めるときも一瞬だった。
それでも軍自体を辞めなかったのは、未練が残っていたからか。
あるいは、アレクシスとの繋がりを残しておく必要があったからなのか。
アレクシスにはわからなかったが、ともかく、どうしてリアムが今回のような行動を起こしたのか。なぜエリスの噂を流したのか、直接話を聞かなければならない。
お前は俺を恨んでいるのかと。
オリビアを傷付けた俺に、復讐するつもりだったのか、と。
その為にエリスに近づいたのかと。
全ては、俺のせいなのか――と。



