王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

自分たちの部屋に戻って、

お互いお風呂に入り、

美姫が来るのを待っていた。



結婚式の日の初夜は、

夫婦揃って寝室で一夜を過ごすのが慣習である。



しかし、今朝までは美姫の気持ちを尊重して一緒の布団で寝ても、

手は出さないでおこうと思っていた。



ーでも今は美姫を自分のものにしたい。

今すぐにでも。



ーコンコン



「入っても宜しいでしょうか?」

「どうぞ」



美姫がバスローブ姿で入ってきた。

それだけでドキドキしてしまう。



「し、失礼します」



美姫が部屋に入って、俺の隣に腰かけた。



手と足が同時に出ていて、

美姫も緊張しているようだ。



「疲れてない?」

「だ、大丈夫です。碧人様は平気ですか?」

ー上目遣いで見られて、またドキドキして緊張してきた。



「大丈夫だよ」



俺はなるべく平穏を装い、

いつも通りの笑顔を浮かべた。



「触れてもいいかな?」

「は、はい」



本当はもっと美姫の緊張をほぐしてから、

触りたかった。

…しかし、全然余裕がない。



キスをして美姫を押し倒した。



何度もキスをして、その度に嫌がられていないことに安心して、少しずつ触っていった。



「好きだよ」