王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?

「違うんです。

わ、私胸が小さくて…

がっかりさせてしまうかも、と思って…」


私がそう言った後、

碧人様はなにも言わなかった。


怒らせてしまったのかな?と思って見上げると、

口を押さえて、

「あんまり、可愛いこと言わないで」と呟かれた。


ー可愛い?

私可愛いこと言った??


「がっかりするなんてことないよ。

それに、男がみんな胸が大きい方が好きな訳じゃないし。」


ー本当かな?

さつき様をみていた気がするけど…


「嫌じゃないなら…見せてほしい」


そう囁かれた後、

キスをされ、隠している手にもどんどんキスをされた。


私がくすぐったくて、思わず手の力が弱まったと同時に手をほどかれた。


「すごく…綺麗だよ」


私は返事する余裕もなく、せめて体が無理なら顔を隠そうと、顔を隠していた。


碧人様はそんな私を気にしておらず、

全身キスをしたり…

優しく触れたりしていた。


「そろそろいいかな?」


私は無言で顔を隠しながら、

大きく顔を縦にふった。


そして、今まで感じたことない痛みに襲われた。


私が痛みの余り、手を震わせていると、

碧人様がまた手にキスをして、

「口にキスをしてもいい?」と聞かれた。


また無言で顔を縦にふると、

髪を撫でながら唇に何度もキスをされた。


少しずつ痛みよりも、キスに夢中になっていた。


「かわいい。本当に大好きだよ」


「私も…だい すきです」


これだけは伝えたいと、がんばって声を震わせながら言った。

碧人様を見上げると、
目を見開いて驚いているようだった。

ー私が返事すると思わなかったのかな。


「本当に…かわいい。

ごめん…我慢できない」


そう言うと、

唇に何度もキスをされて、なにも言えなくなった。


私は痛みは気になくなり、

意識を失わないよう、碧人様の体にしがみつくことしかできなかった。