予想外なあたしの動きに、きっも間抜けな顔をしているコウの顔を拝みたかったけど、あくまでも目をつぶっておいた。“ユラ”はコウに恋焦がれてるっていう設定があるのでね。
顔を離したあとも上目遣いでコウを見る。
「もぉ〜そんな言い方ひどいですぅ! コウは、あたしの気持ち知ってるくせにぃ」
「……」
「これは交渉なんかじゃなくて、おねだりですッ」
あたしはあなたの敵じゃない
コウのこと、もっと教えて?
もっと近づきたい
言葉でなくとも声で、瞳で、態度で、コウを惑わすのは簡単なことだった。コウは案外チョロい男だって知ってる。

