狂い花は愛されたくて、





相変わらずふんぞり返っていたコウの瞳があたしを捉えた。何その顔、あたしが交換条件を持ち出すのがそんなに意外だったかしら?


そしても、素直にイエスと言わない女に出会うのはじめて?




あんまり、舐めんじゃないわよ。



と言いたくなる衝動を抑えて、咄嗟に“ユラ”のキャラにあった満面の笑みを引き出したあたしを誰か褒めてほしいくらい。






「お願い、ねぇ……」

「そうですぅ」

「お前、一丁前に俺と交渉しようとしてんのか?」






不機嫌を隠しもしないで、タバコを吹かす反対の手であたしの顎を掴んだ。……ここ、ビビってる演技しておいた方がいいかしら? だけど、あいにく、そこまで演技を重ねられるほどあたしにも余裕がなかった。



内心、腸が煮えくり返りそうなのよ。





そうやって、力で思い通りになる女しかそばに置いたことがないのね。まるで、お山の大将ね?






ブチ切れそうな感情を抑えて、表面の“ユラ”が笑う。






首を絞められる前に、先手を打つ。ビビらせようとあたしの顎に添えられたコウの指先。逆に、それを這うように撫でて、油断したコウの唇を奪う。