狂い花は愛されたくて、







あたしはここら辺の街育ったわけじゃない、最近出入りするようになった新参者だけど。この街にある繁華街のことも、そこにいる中心人物のことも、ある程度知っていた。


その中でも何度も耳にした龍崎 弘也という人物。




クラブで知り合った子たちとこうやってたむろしてるのも楽しいけど。あたしだって女だし、この街いる以上、その男に声をかけられて、見初められてみたい気持ちもゼロじゃなかった。




見た目通りユルーイ貞操観念の音なだと言われようと、ミーハーで何が悪いの?




腕を引かれながら横を見ると、頭2つ分は余裕で高い身長の男。噂通り整った顔立ちだ。





ピタリとした服装からもわかる程よい筋肉。こんな男に、耳元で囁かれたら、乱暴に抱き寄せられたら。……うあぁぁあ、コーフンする。早くもいやらしい妄想が浮かんで、唾を飲んだ。




これからあたしどうなっちゃうの……!?






ーーと、まぁ。







そんな女を、あたしにはちゃんと演じる必要があった。