狂い花は愛されたくて、




妹のその言葉に、今度は「その金髪……あぁ、お前……」つぶやいたコウが目を細める。




おい、今気づいたのね?



多分電話を入れたのがあたしだと、やっと顔を見てあたしが誰なのか思い出したのだろう。コウの中のあたしは、まだその程度の存在なんだと改めて気付かされてしまった。







「アイカが世話になったみたいだな、礼をいう。この借りは、次必ず返す……」





ふーん?



妹の前であたしと自分が“そういう”関係だと余程バレたくないのか、語尾がはっきりしないし、コウからいつもみたいな余裕が感じられない。






それを見たあたしはようやく自分が今優位な立場にいることを思い直して、心の落ち着きを取り戻した。