余裕の3回越えのブリーチで仕上がった金髪の髪、
ハイヒールに、胸元や足を極限まで露出した服装、
160本付けたマツエク、派手な化粧、
一言で言えば
ーーいかにも軽そうな女。
それが今のあたしの容姿だった。
と言っても、この繁華街で浮くことはないくらい周りの女もこのくらいまたはそれ以上派手で、あたしは今夜この繁華街でたむろする集団のひとりでしかなかった。
適当に知り合ったクラブの何人かの男女と外で喋る。何が可笑しいわけでもないのに下品に大口開いて笑って、明るい女を演じていた。
しゃがみこんで話し込んでいたあたしの腕を無理やり引っ張り上げた男。近づいてきた時は、まさかと思ったけど。
龍崎 弘也だーーー。
ときめきと興奮で胸がいっぱいになった。
あ、あたしが本当に……ッ!?
「あのっ」
「早く歩け」
今夜あたしはこの男に選ばれた。
はじめて間近で見る“その男”は、遠目で見るよりずっといい男で。この街の女に、この男に抱かれてこそ女の価値ありと言わしめるほどの男が、今あたしのすぐそばにいる。
ただのミーハーな憧れ心だけで、ここにきたあたしが本当に選ばれたの……!?

