そばにいるあたしなんかまるで無視。眼中に無しのまま、妹を抱き寄せたコウ。
妹を溺愛していることは知っていたが、まさかここまでとは。
そこに、いつもの無表情でえらそーに女を見下している男の面影はない。額に汗を流して、焦った声で妹を宥めている。本当に、いつものコウと同一人物なのかしら?
そんなコウの首筋に顔を埋めて甘えるアイカ。
なるほど……。
ーーあぁ……妹は、女としてこの男が好きなんだとすぐに気付いた。
「良かった……お前に何かあったら俺は生きていけない。お前は俺の宝なんだ……」
「嬉しいけど……っ、もう……いつまでも子供扱いしないでよ!アイカだってもう18歳ーー」

