あたしの中で芽生えた愚かで美しい希望の光を妹はあっさり切り捨てていく。
「だけどッあなたはどうして……私を助けてくれたんですか? どうして……こんなに優しくしてくれるのッ」
「……それは、」
そんなのーーあなたがあたしのたった一人の妹だからに決まってるじゃない。
「あなたは……一体誰?」
純粋なことこの上ない瞳に見つめられて、瞳を揺らすことになったのは今度はあたしの方だった。
イッタイダレ?
そんなの……あたしが知りたいくらいなのに。
あたしをあたしだと証明してくれるのは、この世でたった一人しかいない。それが目の前の妹で。この子に否定されたら……あたしの存在は簡単になくなってしまうくらい脆いのだーーどうしてそれが分からない?

