「助けてくれて本当にありがとう……! あなたがいなかったらッ私今頃……ッ」
「いいのよ……もう泣かないで」
まだまだたくさんの粒を瞳の中に抱えながら嗚咽混じりにあたしに縋ってくる。
良かったーーこの子はあの頃からずっと、変わらず真っ直ぐなままなのね。汚れて歪んでしまったのはあたしだけ……。
緩んだ拍子にいつの間にか馬鹿みたいな口調から久々に使う普段の口調に戻っていた。
そんな妹の様子に、あたしの中でもう一度希望が見えてくる。
また妹と幸せに暮らせるんじゃないかという期待。
だってこうやって、この子を守れるのは、やっぱり姉であるあたしだけだ。そう思えてきてーーなのに、残酷ね。

