小さく震えたままの妹は無理やり触られてボロボロになってしまった服ごと自分を抱きしめて、俯いてる。
こんくらいでビビってんじゃないわよ。随分ぬるい世界で今日まで生きてきたのね。
これだけでもどれだけ妹が大切に育てられてきたのか痛いくらい伝わってきて、腹が立つ。まるで生きてきた世界が違うことを見せつけられてる気がして。
あたしが妹の肩に触れると大げさに肩が跳ねた。
そして、顔をあげた妹と目が合う。
微かに驚いたように瞳の中が揺れてーーああ、この子もあたしのことをやっぱり覚えてくれたのね。
あたしの心が暖かい気持ちでいっぱいになった。
もう大丈夫だと微笑んで見せると妹は安心したようにあたしの胸で泣き始めた。そうよ……。あなたはあたしのすべて。
そして、あなたのすべてもあたしでしょーー?
思い出して?
あたし以上に大切なものなんてないはず。だってあたし達は生まれてくる前からずっと一緒なんだもの。二人で一つよ……。

