あちゃ〜
どえらいもん見ちゃったわぁと我ながらすごく冷めた目で、その光景をぼんやり見ていた。面倒くさァ。本当のあたしも“ユラ”も正義感が強い設定なんてない。
向こうはあたしには気づいてないわけだし、ここから立ち去るのは簡単なことだ。
「ーー自分の可愛い可愛い妹が、こんな格好で辱めを受けてたらッ龍崎のヤツらどんな顔すんだろうなッ」
男達の下品な笑い声が聞こえてきて、あたしの心はどす黒く染まる。
囲われているのが妹だということを知って、
助けたいーー? いや、そんな馬鹿なこと思ってない。あたしだってこの男達とやり方が違えど、どんな形であれ屈辱や絶望を妹に味あわせたいと思っていたから……。
このまま、ヤられてめちゃくちゃになる妹もいいかもしれないーー
だけど、その下品な笑みがあたしの愚かな考えを黒く塗りつぶしてくれる。……違う、こんなことじゃない。あたしが妹にしたかったことは……。

