狂い花は愛されたくて、




煩くて騒がしい。この繁華街の夜は、仕事を終えた若者から年配サラリーマンまで様々な人間で常に賑わってる。





その喧騒のいつも中心にいるのが、龍崎 弘也(りゅうざき こうや)、その人だった。







この街を牛耳る龍崎会組長を父に、同組若頭を兄に持ち、自身もこの街の中心的人物。





おまけにその男はとても整った顔立ちで、高身長と恵まれた体格を持っていて喧嘩の腕も然ることながら頭も切れる、らしい。それがその男の肩書きだった。





そんな男を女が放っておくわけもなく、この男は当たり前のようにとてもモテる。気まぐれに現れては、この繁華街に生息する女を抱く。




だからこの時間帯の繁華街に生息する女は、大概その男に声をかけられることを期待しているという。