この男に近づけば、また会えるって思ってたの。 だから一生懸命コウが好みそうな尻軽そうな女を演じて、見初められて、抱かれて。 わざわざ“コウに気があるミーハーな女”のフリなんかしちゃって。 それもこれも全部この瞬間(とき)のためだ。 「……、」 久しぶりに、最愛の名前を口にする。 夢にまで見た本物が、ついに目の前にいる。 こんなに近い距離に。 それだけで、体中の血が沸きあがるみたいに興奮した。待ってた。待っていたの。ずっとずっとこの瞬間をーー